1. HOME
  2. メディア
  3. コラム
  4. ワイヤレス給電とは何か?活用事例とメリット・デメリットを解説

ワイヤレス給電とは何か?活用事例とメリット・デメリットを解説

ワイヤレス給電

近年、「ワイヤレス給電」が製造業をはじめとするさまざまな分野で注目されています。ワイヤレス給電とは、電力をケーブルなしで伝送する技術のことで、スマートフォンの充電だけでなく、工場の自動化やロボットの電源供給にも活用が広がっています。特に、製造業では設備の省スペース化や保守負担の軽減を目的に導入が進んでおり、今後の市場拡大が期待されています。

本記事では、ワイヤレス給電の基本原理や種類、メリット・デメリット、製造業における活用事例について詳しく解説します。導入を検討している経営層の方々に向け、実際のビジネスに活かせるポイントをわかりやすく紹介していきます。

ワイヤレス給電とは?定義と概要について

ワイヤレス給電とは、物理的な接触なしに電力を供給する技術です。

電磁波や電磁誘導を利用して電力を伝送するため、ケーブルが不要となり、さまざまな環境での利用が可能となります。

特に、製造業や医療分野など、配線が障害となる場面での活用が進んでいます。電気自動車(EV)のワイヤレス充電や、IoTデバイスの長時間運用にも寄与する技術です。 ワイヤレス給電は、従来の有線給電と異なり、可動部分がある機器にも適用しやすい点が特徴です。

例えば、工場の自動搬送ロボット(AGV)や、電動車椅子などの移動体においても、給電のために停車することなく電力供給を可能にします。

ワイヤレス給電とは?定義と概要について

ワイヤレス給電の歴史と発展 ワイヤレス給電の概念は19世紀末にニコラ・テスラが提唱したものが始まりです。

彼はワイヤレス電力伝送の実証実験を行い、電力を空間中に伝送する技術を研究しました。

しかし、当時の技術では効率的な電力伝送が難しく、実用化には至りませんでした。

その後、20世紀に入り、電磁誘導を利用した充電技術が発展し、近年では磁界共鳴方式やマイクロ波伝送技術が進化し、より長距離での給電が可能となってきています。

2010年代以降、スマートフォンのワイヤレス充電技術(Qi規格など)が普及し、さらに電動モビリティや産業機器にも応用が進んでいます。 また、近年では、宇宙空間におけるワイヤレス給電技術も研究されています。

例えば、宇宙太陽光発電(SSPS:Space Solar Power System)では、宇宙空間で太陽光を電力に変換し、それを地球へマイクロ波で送る構想が進められています。

ワイヤレス給電が注目される理由

近年、IoTや自動化技術の進化により、電力供給の利便性向上が求められています。

また、EV(電気自動車)やロボティクス分野において、ワイヤレス給電は配線レスによる運用効率の向上やメンテナンスコスト削減といったメリットが期待されています。

加えて、クリーンエネルギーとの組み合わせにより、環境負荷の少ないエネルギー供給手段としての役割も注目されています。

特に、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーと組み合わせた無線電力伝送システムの研究が進められています。

ワイヤレス給電のメリット・デメリット

ワイヤレス給電のメリット

ワイヤレス給電にはさまざまなメリットがあります。

まず、ケーブルが不要になることで、設置の自由度が大幅に向上します。また、防水・防塵性が高まり、機器の耐久性が向上するため、長期間の使用が可能になります。

さらに、物理的な接続部分が不要となることで、メンテナンスの頻度が減り、結果として運用コストの削減にもつながります。

この技術は特に製造業において自動化の推進を後押しする要素となり、作業の効率化に寄与します。

また、食品や医薬品分野では、ケーブルをなくすことで衛生環境の維持が容易になり、より安全な環境を確保できます。

さらに、電気配線の削減によって火災のリスクが低下し、安全性の向上にも貢献します。

ワイヤレス給電のデメリット

一方で、ワイヤレス給電にはデメリットも存在します。

有線と比較すると給電効率が低下しやすく、エネルギーの損失が発生しやすい点が課題です。

また、給電距離が長くなると電力の伝送が難しくなり、利用範囲が制限される場合があります。加えて、導入コストが高いため、投資回収には時間がかかることが多いです。

さらに、ワイヤレス給電技術の規格がまだ統一されておらず、異なる規格が存在することが標準化の課題となっています。加えて、障害物の影響を受けやすく、環境要因によって給電性能が左右される可能性もあります。

ワイヤレス給電の仕組みと種類

電磁誘導方式

コイル間の磁場を利用したエネルギー伝送方式 ・スマートフォンや電動歯ブラシなどに活用 ・短距離かつ高効率な電力伝送が可能 ・誘導コイルの位置合わせが重要

磁界共鳴方式

特定の共鳴周波数を用いた伝送方式 ・EV充電や工場の自動化機器に採用 ・電力伝送距離の延長が可能であり、産業用として注目 ・送受電コイルの共鳴を利用し、非接触ながら高効率な給電が可能

電界結合方式

電界の振動を利用したエネルギー伝送 ・ウェアラブル機器や小型電子デバイス向け ・低電力供給に適しているが、伝送距離が短い ・医療機器の体内埋め込み型デバイスにも応用される

マイクロ波・レーザー方式

遠距離伝送が可能な電磁波やレーザーを活用 ・宇宙太陽光発電など次世代技術で期待 ・大規模エネルギー伝送の可能性があるが、安全性が課題 ・高効率なアンテナ技術の開発が進められている

ワイヤレス給電のまとめ

ワイヤレス給電とは、物理的な接触なしに電力を供給する技術です。

ワイヤレス給電は、スマートフォンや家電製品のみならず、製造業の自動化や次世代エネルギー供給システムにおいても大きな可能性を秘めています。導入コストや技術課題はあるものの、今後の技術進化により、より効率的で実用的な給電手法へと発展していくことが期待されています。
受話器を持つ女性

まずはお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

WiBotic ワイヤレス給電・充電システムについて詳しく知りたい方はこちら

WiBotic ワイヤレス給電・充電システムに関するご相談は、
お気軽にお問い合わせください。

軽量・コンパクト・安全なワイヤレス給電・充電システムをメリットのある価格設定で導入できます。
製品の詳細、カスタマイズ、費用の詳細、お見積りはお気軽にお問い合わせください。

~お電話でのお問い合わせはこちら~

03-5213-1179

9:30~17:00(土日・祝日除く)