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サービスロボットとは?導入メリットや種類ごとの特徴をご紹介

サービスロボットとは?導入メリットや種類ごとの特徴をご紹介

人手不足や働き方改革が進む中、サービス業や製造業において「サービスロボット」の導入が加速しています。しかし、「サービスロボットとは具体的にどのようなものか」「自社の課題解決に本当に役立つのか」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、サービスロボットの基本概念から、導入によって得られるメリット、主な種類と特徴まで詳しく解説します。さらに、サービスロボットの安定稼働を支える「ワイヤレス給電」技術についてもご紹介します。生産性向上とコスト削減を実現するヒントとして、ぜひご活用ください。
 

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サービスロボットとは

サービスロボットの定義

サービスロボットとは、国際標準化機構(ISO)の規格ISO8373-1:2021において、「産業用ロボットのアプリケーションを除く、人や機器のために役立つ作業を行うロボット」と定義されています。具体的には、工場などの製造現場で用いられる産業用ロボットとは異なり、医療、介護、物流、清掃、案内、農業など、非製造業分野において人々の生活や業務を支援する目的で開発・導入されるロボットを指します。

これらのロボットは、人間が直接行う作業を代替したり、補助したりすることで、サービスの品質向上や効率化、人手不足の解消に貢献します。また、人間と直接的に関わる機会が多いため、安全性や柔軟性、そして人間との協調性が重視される点が特徴です。

産業用ロボットとの違い

サービスロボットと産業用ロボットの主な違いは、その用途と設置環境にあります。産業用ロボットは、主に製造業の工場や生産ラインで、溶接、塗装、組み立て、搬送といった定型的な作業を高速かつ高精度に繰り返すために利用されます。多くの場合、人間が立ち入らない隔離された環境で稼働し、効率性と生産性が最優先されます。

一方、サービスロボットは、製造業以外の幅広い分野で活躍します。オフィス、病院、店舗、ホテル、家庭など、人間が活動する多様な環境下で、清掃、案内、警備、搬送、配膳、介護補助といった多岐にわたるサービスを提供します。

そのため、人間との接触を前提とした安全設計や、変化する環境に適応するための柔軟な動作、そして人との協調性がより強く求められます。

サービスロボット市場の現状と将来性

サービスロボット市場は、世界的に急速な成長を続けています。国際ロボット連盟(IFR)の報告によると、プロフェッショナルサービスロボットの導入台数は年々増加しており、その市場規模も拡大傾向にあります。

この成長の背景には、少子高齢化による労働力不足、人件費の高騰、パンデミックを契機とした非接触ニーズの高まり、そしてデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の加速といった社会的な要因があります。

特に、物流・搬送ロボット、清掃ロボット、医療・介護ロボット、案内・受付ロボットなどの分野で導入が進んでおり、今後もAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)技術の進化と融合することで、より高度で自律的な機能を持つロボットの開発が進むと予測されています。

将来的には、私たちの生活や社会のあらゆる場面でサービスロボットが不可欠な存在となり、新たなサービスやビジネスモデルの創出に貢献すると期待されています。
 

サービスロボット導入のメリット

①人手不足の解消

サービスロボットを導入する最大のメリットの一つは、深刻化する人手不足の解消に貢献することです。少子高齢化による労働人口の減少は多くの業界で課題となっており、特に定型的な作業や反復作業、あるいは特定の専門性を要する業務において、人材の確保が困難になっています。

サービスロボットは、これらの業務を人間が担う代わりに遂行することで、必要な人員を削減し、既存の従業員をより創造的で付加価値の高い業務に再配置することを可能にします。

②業務効率化とコスト削減

サービスロボットは、人間のように休憩や睡眠を必要とせず、設定されたプログラムに従い24時間365日稼働することが可能です。これにより、業務の連続性を確保し、生産性を大幅に向上させることができます。

また、人間が行うよりも高速かつ正確に作業を遂行できる場合が多く、ヒューマンエラーの削減にも繋がります。長期的には、人件費(給与、福利厚生、残業代など)の削減や、採用・教育コストの抑制にも繋がり、運用コスト全体の最適化に貢献します。

③従業員の負担軽減と働き方改革

重労働、危険を伴う作業、単純な反復作業、あるいは精神的な負担が大きい顧客対応など、従業員にとって負担の大きい業務をサービスロボットが代替することで、従業員の身体的・精神的負担を大幅に軽減できます。

これにより、従業員はより専門的、戦略的な業務に集中できるようになり、モチベーションの向上や離職率の低下にも繋がります。結果として、従業員満足度の向上や、ワークライフバランスの実現といった働き方改革の推進に寄与します。

④サービス品質の向上と標準化

サービスロボットは、プログラムされた通りに正確に作業を実行するため、人間の感情や体調に左右されることなく、常に一定の高品質なサービスを提供できます。

これにより、清掃の品質、搬送の正確性、案内の均一性など、サービスレベルのばらつきをなくし、顧客体験を標準化・向上させることが可能です。一貫したサービス提供は、顧客満足度の向上に直結し、企業のブランドイメージ強化にも貢献します。

⑤24時間365日の稼働が可能

人間には休憩や休日が必要ですが、サービスロボットは継続的に稼働できるため、夜間や休日、営業時間外といった時間帯でも業務を途切れることなく遂行できます。

これにより、施設のセキュリティ強化(警備ロボット)や、病院、工場、ホテルなど24時間体制での運営が求められる現場での活用が期待されます。常にサービスを提供できる体制は、ビジネス機会の拡大や、顧客への利便性向上に繋がります。
 

サービスロボットの主な種類と特徴

搬送ロボット(AGV・AMR)

搬送ロボットは、工場や倉庫、病院、商業施設などで物品の運搬を自動化するロボットです。主にAGV(Automated Guided Vehicle:無人搬送車)とAMR(Autonomous Mobile Robot:自律移動ロボット)の2種類があります。

AGV(無人搬送車)

AGVは、床に敷かれた磁気テープやレール、QRコードなどをガイドとして決められたルートを走行するロボットです。経路が固定されているため、安定した運搬が可能ですが、障害物があった場合は停止します。

AMR(自律移動ロボット)

AMRは、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術などを活用し、周囲の環境を認識しながら自律的に最適なルートを判断して走行します。障害物を回避する能力が高く、柔軟な運用が可能です。物流倉庫でのピッキング作業や、工場内での部品運搬などに活用されています。

清掃ロボット

清掃ロボットは、オフィスビル、商業施設、ホテル、病院などの広範囲な床面を自動で清掃するロボットです。事前に設定されたマップ情報やセンサーを活用し、障害物を避けながら効率的に清掃作業を行います。人手による清掃作業の負担を軽減し、清掃品質の均一化に貢献します。

案内・受付ロボット

案内・受付ロボットは、施設内の案内、情報提供、来客対応などを担うロボットです。音声認識や合成技術、顔認識機能を搭載し、多言語対応も可能なものが多く、顧客へのサービス品質向上や、受付業務の効率化に貢献します。商業施設、ホテル、空港、企業の受付などで活用されています。

警備・監視ロボット

警備・監視ロボットは、施設内や敷地内を巡回し、不審者の発見、異常音の検知、設備監視などを行うロボットです。高解像度カメラや赤外線センサー、人感センサーなどを搭載し、24時間365日の監視が可能です。警備員の負担軽減や、広範囲のセキュリティ強化に役立ちます。

配膳ロボット

配膳ロボットは、飲食店、ホテル、病院、介護施設などで料理や飲み物、物品などを自動で運搬するロボットです。自律移動機能と障害物回避機能を持ち、従業員の配膳・下膳作業の負担を大幅に軽減します。接触機会を減らすことで衛生面でのメリットもあり、サービス効率の向上に貢献します。
 

サービスロボット導入時の課題

初期投資コスト

サービスロボットの導入を検討する上で、まず課題となるのが初期投資コストです。高性能なサービスロボットは本体価格が高額であることに加え、設置工事費用や既存システムとの連携にかかる費用なども発生します。

これらの初期費用が導入の障壁となるケースも少なくありません。導入効果とコストのバランスを慎重に検討し、費用対効果を明確にすることが重要です。

運用・メンテナンス体制の構築

サービスロボットを導入した後も、安定した稼働を維持するためには適切な運用・メンテナンス体制の構築が不可欠です。日常的な監視やトラブル発生時の迅速な対応、定期的な清掃や部品交換など、専門的な知識やスキルが求められる場面が多くあります。

社内に専門人材を育成するか、外部の保守サービスと契約するなど、長期的な視点での体制づくりが課題となります。

充電・給電の課題

バッテリーで稼働するサービスロボットにとって、充電・給電は重要な課題です。充電ステーションへの移動や充電作業は、ロボットの稼働を一時的に停止させるため、業務効率に影響を与える可能性があります。

特に複数台のロボットを運用する場合、充電場所の確保や充電スケジュールの管理が複雑化し、充電待ちによる非稼働時間の発生も懸念されます。また、手動でのバッテリー交換やケーブル接続は、従業員の負担となることもあります。
 

サービスロボットの安定稼働を支えるワイヤレス給電技術

ワイヤレス給電とは

ワイヤレス給電(非接触充電)とは、ケーブルやコネクタを介さず、離れた場所から電力を供給する技術です。主に電磁誘導方式や磁界共鳴方式が用いられ、送電側と受電側の間に磁界を発生させることで、電力の伝送を可能にします。

この技術は、サービスロボットが自律的に移動しながら、人手を介さずに自動で充電を行うことを可能にし、稼働率の向上に大きく貢献します。

従来の接触充電の課題

従来のサービスロボットの充電方法は、充電ステーションへのドッキングやケーブルの接続といった接触型が主流でした。しかし、これにはいくつかの課題があります。

まず、ロボットが正確に充電端子に接触する必要があり、位置ずれによる充電不良のリスクがありました。

また、充電コネクタ部分の摩耗や破損、異物混入による接触不良が発生しやすく、定期的なメンテナンスや交換が必要となる場合もありました。さらに、手動での充電作業は人手と時間を要し、ロボットの稼働停止時間を長くする要因となっていました。

ワイヤレス給電のメリット

ワイヤレス給電は、サービスロボットの運用において多大なメリットをもたらします。最も大きな利点は、非接触であるため、充電コネクタの摩耗や破損の心配がなく、メンテナンスコストの削減に繋がることです。

また、ロボットは充電ステーションに厳密に位置合わせする必要がなく、比較的自由な位置から充電を開始できるため、充電作業の自動化と効率化が図れます。

これにより、ロボットの稼働停止時間を最小限に抑え、必要な時に必要なだけ充電を行う「ながら充電」や「隙間充電」が可能となり、24時間365日の連続稼働を実現しやすくなります。さらに、水濡れや粉塵が多い環境でも、感電や故障のリスクを低減し、安全性を高めることができます。

ナブテスコのワイヤレス給電ソリューション

日本の大手精密機器メーカーであるナブテスコは、サービスロボットの安定稼働を支えるワイヤレス給電ソリューションを提供しています。

同社のワイヤレス給電システムは、高効率な電力伝送と優れた位置ずれ許容度を特徴とし、様々な種類のサービスロボットへの適用が可能です。

例えば、搬送ロボットや清掃ロボットが作業の合間に自動で充電スポットに立ち寄り、効率的に充電を行うことを実現します。

これにより、ロボットのバッテリー切れによる停止を防ぎ、人手による充電作業を不要にすることで、運用コストの削減と生産性の向上に貢献します。ナブテスコのワイヤレス給電技術に関する詳細は、以下の公式サイトをご覧ください。

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まとめ

サービスロボットは、人手不足の解消、業務効率化、サービス品質の向上といった現代社会の喫緊の課題に対し、非常に有効な解決策となります。

搬送、清掃、案内など多岐にわたるロボットの導入は、企業の競争力強化に貢献する一方で、初期投資や運用体制、特に充電・給電の課題が導入の障壁となることもあります。

これらの課題を克服し、サービスロボットの安定稼働を支える重要な技術がワイヤレス給電です。接触充電の制約から解放され、効率的かつ柔軟な電力供給が可能となるワイヤレス給電は、ロボットの稼働率を飛躍的に高め、持続可能な運用を実現します。

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